撮影罪(性的姿勢撮影等処罰法)が新たに施行

撮影罪(性的姿勢撮影等処罰法)が新たに施行Sending documents to the detective

「撮影罪」はじまる、同意のない撮影は禁止 飛行機内の撮影にも注意を

配偶者の不貞行為を証明する目的で、不貞行為の証拠撮影を考えている方のなかには、このような撮影が盗撮になり犯罪にならないか心配されている人も居るようです。
また、探偵が行う証拠撮影が犯罪に当たらないのか心配されている人もいるようです。
今までも、都道府県が定める迷惑防止条例でわいせつな画像の撮影は規制されていましたが、新たに性犯罪にまつわる写真/動画撮影の盗撮行為は「撮影罪」、その他に「提供罪」や「保管罪」が施行されました。
撮影罪に関する記事が、ASCIIに掲載されていますたので紹介します。

本日7月13日から「撮影罪」が施行される。
これにより性的姿勢等のひそかな撮影(盗撮)、それらを第三者に提供する行為、インターネットや動画配信などで公開する行為、保管する行為がすべて処罰対象となり、盗撮に対して最大3年の懲役または最高300万円の罰金が、不特定多数への提供行為に対してはさらに重い最大5年の懲役、または最高500万円の罰金が科されることとなる。

「撮影罪」は正式名称を「性的な姿勢を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿勢の撮影に係わる電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿勢撮影等処罰法)」としており、基本的には性的な盗撮を禁じる法律。6月16日成立し、6月23日に公布している。

出典:ASCII https://ascii.jp/
2023年7月3日 配信記事より一部を抜粋

盗撮罪の対象となる撮影行為とは?

通称「撮影罪」と呼ばれる法律は、正式名称は非常に長く「性的な姿勢を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿勢の撮影に係わる電磁的記録の消去等に関する法律」です。法律の名前からも分かる通り「わいせつな撮影」を規制する法律です。
そして、この法律は、わいせつな画像を盗撮する行為のみを規制するのではなく、強要して撮影する行為も規制されています。その他には、わいせつな画像を記録、保存、送信する行為も規制されており、これらを本人の同意なしに削除できると定めています。
ただし、本人の同意がない撮影を全て規制している法律ではなく、原則として「わいせつ」な撮影を規制している法律です。

撮影罪の構成要件
撮影罪の「総則」を確認すると次のように定められています。
「性的な姿態を撮影する行為、これにより生成された記録を提供する行為等を処罰するとともに、性的な姿態を撮影する行為により生じた物を複写した物等の没収を可能とし、あわせて、押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等の措置をすることによって、性的な姿態を撮影する行為等による被害の発生及び拡大を防止することを目的とする。」
つまり、「性的」な撮影を規制している法律であり、性的でない撮影は対象ではありません。

撮影罪(性的姿態等撮影罪)は、以下のいずれかに該当する行為を規制する法律です。

1、正当な理由がないのに、ひそかに、次(a)(b)に掲げる姿態等(=性的姿態等)を撮影する行為(人が通常衣服を着けている場所において不特定または多数の者の目に触れることを認識しながら、自ら露出しまたは自らわいせつな姿態をとっているものを除く)
(a)、人の性的な部位(性器・肛門もしくはこれらの周辺部、臀部または胸部)または人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ性的な部位を覆うのに用いられるものに限る)のうち、現に性的な部位を直接もしくは間接に覆っている部分
(b)、(a)のほか、わいせつな行為または性交等がされている間における人の姿態

2、不同意わいせつ罪を構成する行為(暴行・脅迫など)により、同意しない意思を形成し、表明しもしくは全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為

3、行為の性質が性的なものでないとの誤信をさせ、もしくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、またはそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態を撮影する行為

4、正当な理由がないのに、13歳未満の者を対象としてその性的姿態等を撮影し、または13歳以上16歳未満の者を対象として、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為

・前項の罪の未遂は、罰する。
・前二項の規定は、刑法第百七十六条及び第百七十九条第一項の規定の適用を妨げない。

撮影罪とは、これまで都道府県の迷惑防止条例で規制されていた性的な盗撮行為を、全国一律で厳罰をもって規制する法律に近い内容です。また、性的な撮影のみを規制する法律ではなく、記録、保存、送信する行為も規制されている特徴がります。
撮影罪が施行されるまでは、都道府県ごとに迷惑防止条例で規制されていましたが、都道府県により内容にはばらつきがある問題がありました。また、飛行中の航空機内で行われた盗撮に関しては、場所の特定が難しく都道府県条例では処罰できない問題も発生していました。
今回の盗撮罪の新設により、このような問題の多くが解決できると思われます。

証拠撮影には影響を与えない
撮影罪が新設されましたが、探偵が適切に行っている不貞行為などの証拠撮影は違法性に問われないと考えられます。
撮影罪はわいせつ目的の撮影を禁止する法律であり、わいせつではない撮影を規制する内容ではありません。
探偵は一般的に、ホテルやマンションへの出入りを撮影し不貞行為の証拠としていますが、これらの撮影は公共の場所で行っており通常は衣服を身に着けている場所です。また、例え露出が多い服着ていたとしても自ら露出させているものであり、下着などが写らないよう注意すればわいせつな撮影には当たらず違法性が問われないと考えられます。
その他、不貞行為の証拠撮影は撮影者に強要して行う性質のものではありませんし、特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信させて撮影を行うこともありません。
ただし、不法行為の証拠収集が目的であったとしても、わいせつな画像を撮影すると撮影罪に該当すると考えられます。例えば、寝室などの密室にカメラを仕掛けて性行為自体を撮影する行為は行ってはいけません。また、この法律では未遂であっても処罰の対象ですので、わいせつ目的の撮影が疑われるような行為は撮影罪の未遂として扱われてしまうリスクがあるでしょう。

不法行為を証明する証拠撮影まで違法としてしまうと、事実を認めない相手に対して正当な結論に導くことが出来なくなってしまう不都合が発生してしまいます。これは、社会正義を考えても著しく不条理であり、正当な目的での証拠撮影は今後も規制される可能性は低いでしょう。
また、交通事故などの事故が起こったときの事実証明に使われるドライブレコーダも、大半の映像は無許可で何ら関係がない人物や車両の撮影を行っていますが、社会的にも認められており違法性はないと考えられています。
このような理由から、正当な理由のもとであれば同意がない撮影であっても、わいせつな撮影を除いて違法とはならないでしょう。

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