浮気や不倫 慰謝料の条件と相場
浮気や不倫の慰謝料が請求できる条件と相場Cheating awards
浮気や不倫に対して慰謝料が請求できる

配偶者が浮気や不倫を行っていた場合には、慰謝料が請求できることを知っている方は多いと思います。しかし、どの様な浮気であれば慰謝料の請求が認められて誰に対して慰謝料が請求できるのかなど、浮気に対する慰謝料の仕組みを理解している方は少ないのではないでしょうか。
どの様な行為を浮気や不倫と捉えるのかの境界線は人により異なり、異性と食事やデートをしたら浮気と感じる人もいれば、浮気には当たらないと考える人もいるでしょう。
浮気と考える行為の境界線は人により異なりますし、夫婦間でどの様な行為は浮気になるから行わないと言う約束をすることは自由ですが、慰謝料の請求は一定の条件を満たす浮気で無ければ認められません。
また、浮気の慰謝料は原則として配偶者と浮気相手に請求することができますが、どちらか一方にしか請求できない場合もあれば、どちらにも請求できない場合もあります。
浮気の慰謝料請求は、後ろめたさを感じて躊躇してしまう方も多いようですが、浮気の慰謝料は法律で認められている正当な権利であり、罪悪感や後ろめたさを感じる必要はありません。
離婚をするときには、財産分与や養育費など夫婦間でお金の話を避けてと通ることはできません。また、離婚をしないときであっても、浮気相手との示談交渉で浮気関係の解消を約束させなければ夫婦関係の再構築が難しくなることも多いでしょう。
慰謝料の請求は、浮気相手に事の重大さを認識させることができ、浮気関係の解消に役立つこともあるでしょう。
また、浮気に対する制裁を浮気相手に与えることにもなりますので、気持ちの面でも楽になるなど多くのメリットがあります。
浮気の慰謝料には、金銭を得る以外にも多くのメリットがあります。正しい知識を身に着けて、慰謝料の請求を検討してみると良いでしょう。
浮気で慰謝料が請求できる理由や条件、慰謝料相場、具体的な請求方法などを解説したいと思います。
慰謝料が認められる浮気の条件
先ずは、慰謝料が認められる浮気の条件を確認しましょう。
全ての浮気で慰謝料が認められる訳ではなく、一定の条件を満たした浮気のみ慰謝料の請求が認められます。
慰謝料が認められる浮気の条件
- 不貞行為(性的関係)があったかが重要
- 婚姻関係が破綻した後の浮気は認められない
- 自由意思で行った浮気しか認められない
- 浮気相手に慰謝料請求をするには、浮気相手に故意や過失があるかが重要
慰謝料の請求が認められる浮気とは、上記4つの条件を全て満たした浮気のみであり、どれか一つでも満たしていない場合には慰謝料は認めら無いと考えられます。
この4つの条件を説明していきたいと思います。
慰謝料が請求できる浮気は不貞行為があった時
浮気の慰謝料とは、損害賠償の一種であり、民法709条に定める「不法行為に基づく損害賠償請求権」です。
損害賠償とは、「相手から不法に侵害を与えられ損害を受けた者に対し、不法に侵害を与えた者が賠償として支払う必要がある金銭」です。
例えば、車を壊された場合の修理代、ケガをしたときの治療代、ケガなどをしなければ得らるはずの所得などが損害賠償として認められます。その他にも、不法行為によって精神的苦痛を受けたときには、精神的な苦痛に対しての損害賠償が認められる場合があり、この損賠賠償を一般的には慰謝料と呼んでいます。
婚姻関係にある夫婦は、「婚姻」に基づいた様々な契約を交わした状態にあると考えられています。
そのうちの一つに、配偶者以外の異性と性的関係を持たない貞操義務が課せられており、この貞操義務は婚姻生活における根幹的な義務と考えられています。
そのため、この義務に反して不貞行為を行ったときには、「不法行為」に該当し慰謝料の請求が認められます。
一方で、不貞行為が無い関係であれば、「不法行為」には該当しませんので慰謝料の請求は原則として認められません。
慰謝料が請求できる浮気とは、不貞行為があった時であり不貞行為とは男女間の性的関係と定義されます。
つまり、慰謝料の請求できる浮気とは、性的関係があったかで判断されることになります。異性とデート、食事、キスなど性的関係がない男女関係のみであれば、原則として慰謝料の請求は認めらないことになります。
ただし、過去の裁判では、「第三者が相手配偶者と肉体関係を結んだことが違法性を認めるための絶対的要件とは言えない」との判決もあり、少数ではありますが性的関係がない場合であっても慰謝料が認められる場合もあるようです。
また、最近ではジェンダーレスの考えが広まっており、同性との間で行われた不貞行為に対しても慰謝料が認められた判決もあるようです。
浮気の慰謝料が請求できる相手
浮気の有責任者は、「配偶者」と「浮気相手」の2人による共同不法行為に該当しますので、慰謝料も2人に支払う責任が発生します。
つまり、浮気の慰謝料は「配偶者と不倫相手の両者」に請求することができます。
ただし、条件によってはどちらか一方にしか慰謝料が請求できない場合もありますので注意が必要です。
また、両者に慰謝料が請求できる場合であっても、あなたの希望でどちらか一方だけに慰謝料を請求することも可能です。
慰謝料が請求できる相手には3つのケースがある
- 配偶者
- 浮気相手
- 配偶者と浮気相手の両方
条件を満たせば配偶者と浮気相手の両方に慰謝料を請求できますが、全ての浮気で配偶者と浮気相手の両方に慰謝料が請求できる訳ではありません。
状況によっては、配偶者のみに慰謝料が請求できる場合と、浮気相手のみに慰謝料が請求できる場合があります。
配偶者に慰謝料が請求できるとき
婚姻関係にある夫婦には貞操義務が科せられていますので、不貞行為があれば不法行為を行ったことになりますので、理論的には配偶者に対して慰謝料の請求が可能と考えられます。
ただし、夫婦の財布は実質的に一つになっている家庭が多く、配偶者の財布から自分の財布に金銭(浮気の慰謝料)が移動したに過ぎない場合が多いでしょう。そのため、離婚をしない夫婦では、配偶者に浮気の慰謝料請求を行うことは稀であり、特別な事情がない限りメリットが得られないと考えられます。
つまり、配偶者に慰謝料が請求できる場合とは離婚をするときと考えて良いでしょう。
離婚をする場合であっても、全てで配偶者に慰謝料の請求が認められる訳ではなく、例外的に慰謝料が認められないケースもあります。
浮気で慰謝料が認められる理由として、「婚姻共同生活の平和の維持という権利、または法的保護に値する利益を侵害して、精神的苦痛を与たから」と考えられています。
そのため、これらに該当しない浮気に対しては、慰謝料が認められない可能性があります。
配偶者に、慰謝料が請求できないケースとして次のようなものが考えられます。
婚姻関係が破綻した後に行われた浮気
浮気で慰謝料が請求できる条件として、「不貞行為によって、あなたが権利の侵害を受けたこと」が必要となります。
そのため、法律上は婚姻関係にある夫婦であっても、実質的に夫婦関係が破綻した後に行われた浮気に対しては、あなたが権利の侵害を受けたとは考えられず、慰謝料の請求が認められない場合が多いようです。
具体的には、別居後や家庭内別居後に行われた浮気、既に他の理由により婚姻関係が破綻した後に行われた浮気などは、慰謝料を請求することができないと考えられています。
このことを悪用し、配偶者が別居をし婚姻関係が破綻していた事実を作り慰謝料の支払いを免れようとするケースも少なくありません。
このような場合には、別居後に新たな異性と交際が始まったのではなく、浮気が原因で夫婦関係が破綻し別居に繋がったことを証明する必要が出てくる場合があります。
浮気が先にあったことを証明することは難しい場合もあるのですが、別居後できるだけ早く浮気が行われた事実を証明することが大切です。
強姦など同意がない性行為
慰謝料が請求できる不貞行為とは、自由意思に基づき行われた場合のみと考えられています。
配偶者が同意がない性行為を強要された被害者である場合には、配偶者に不貞行為の責任が無いと考えられますので、慰謝料の請求を認めてしまうと著しく不条理となってしまうためです。
例えば、配偶者がレイプの被害に遭った場合、社会的立場などを利用し性行為を強要された場合などでは、自由意志で行った性行為とは考えられませんので、配偶者に故意や過失があったとは考えられず慰謝料の請求は認められないでしょう。
一方で、配偶者がレイプなどの加害者である場合には、本人の意思で性行為を行っている訳ですので配偶者に対して慰謝料の請求が認められると考えられます。
時効が成立している過去の浮気
浮気の慰謝料請求は、損害賠償の一種となりますので時効が定められています。
損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅すると定められています。また、不法行為が行われた時点から二十年を経過しているときも損害賠償の請求権は時効により消滅します。
つまり、浮気が行われたことを3年以上前に知っていた場合や3年以上前に浮気相手を知っていた場合、浮気を全く知らなかったとしても20年以上前に行われた浮気に対しては、時効により慰謝料を請求することができなくなります。
既に十分な慰謝料を受け取っている
浮気の慰謝料として、すでに相当額を受けっ取っている場合には、それ以上の慰謝料を請求することは出来ません。
浮気の慰謝料は、配偶者と浮気相手の両方に請求することが可能ですが、損害額を2人で分担して支払うという考え方になりますので、それぞれから二重に慰謝料を受け取ることは出来ません。
例えば、浮気相手から既に相当額の慰謝料を受け取っているときには、配偶者に対して新たに慰謝料の請求はできません。この逆のケースで配偶者から既に相当額の慰謝料を受け取っている時にも、浮気相手に対して新たに慰謝料の請求はできません。
配偶者に支払い能力がない
配偶者に、慰謝料の支払い能力がない場合であっても、支払い義務は当然あることになりますので慰謝料の請求は可能です。ただし、実際に慰謝料が受け取れるかの問題があり、実際には慰謝料を受け取れないケースが多くなるでしょう。
浮気の慰謝料は浮気をした本人の問題ですので、親や兄弟などの親族であっても支払い義務は発生しません。親族が支払いたいと言えば受け取ることに問題はありませんが、こちらから請求をしても認められることはありません。
このようなケースでは、離婚時の財産分与で慰謝料の相当額を差し引く方法が取られる場合が多いようです。それでも、慰謝料相当額が受け取れないときには、配偶者の支払い能力ができるまで待つ以外に方法が無い場合もあります。
浮気相手に慰謝料が請求できるとき
婚姻関係にある夫婦には、他の異性と性的関係を持たない貞操義務が課せられています。
この貞操義務を犯したのは、配偶者のみではなく浮気相手と共同して犯したものであると考えられますので、浮気相手にも慰謝料の支払い義務が発生します。
浮気相手への慰謝料請求は、あなたが離婚をするしないに関わらず、不貞行為があったときには請求が可能となります。
ただし、全てのケースで浮気相手に慰謝料が請求できる訳ではなく、浮気相手に責任がないと考えられるときには慰謝料の請求が認められない場合があります。
浮気相手に慰謝料を請求できる2つの条件
- 浮気相手に「故意・過失」があること
- 不貞行為によって、あなたが「権利の侵害」を受けたこと
浮気相手に故意や過失がない場合やあなたの権利の侵害が認められない場合には、浮気相手に慰謝料を請求することは出来ないと考えられます。
浮気相手に、慰謝料が請求できないケースとして次のようなものが考えられます。
既婚者と知らなかったとき
浮気相手が、配偶者のことを既婚者と知らずに行った不貞行為に対しては、浮気相手に過失が無かったと考えられますので慰謝料の請求は認められません。
ただし、「注意を払えば既婚者と気付くことができる状況」であると考えられるときには、たとえ既婚者と知らなかったとしても過失があると判断されれば慰謝料の請求が認められる場合があります。
具体的には、会社の同僚、仕事などで頻繁に会う間柄、元同級生など昔からの知り合い、サークルなど趣味の仲間、浮気期間が一定以上ある場合などであれば、通常は既婚者と気付ける関係であると考えられるため、慰謝料の請求が認められる場合が多いでしょう。
既婚者と知ることが出来ない場合とは、出会い系サイトで知り合った相手や始めて合った相手にナンパされたなど、一夜限りの関係であれば既婚者かを知る機会が無かったと判断される場合が多いようです。このような関係であれば、仮に既婚者でないか確認をしたとしても隠す場合も多いと考えられますので、浮気相手に過失がないと判断され慰謝料の請求が認められない場合が多いようです。
ただし、出会いのきっかけがこのようなものであっても、ある程度の交際期間がある場合には既婚者と気付くことができると考えられますので、慰謝料の請求が認められる可能性は高くなるでしょう。
最近では、インターネットなどでこのような情報を簡単に得られるようになっています。
そのため、浮気相手が慰謝料の支払いを免れる言い訳に利用するケースが非常に多くなっています。このような言い訳を防ぐためには浮気相手との関係性の証明が重要となり、勤務先の特定、2人の関係性、交際期間、メールやLINEの履歴などで、「注意を払えば既婚者と気付くことができる状況」を証明することが大切です。
浮気相手が既婚者のときは注意が必要
浮気相手が既婚者の場合でも、不貞の有責任者に変わりありませんので理論的には慰謝料の請求が可能です。
ここで注意が必要なことは、浮気相手の配偶者は、あなたの配偶者に対して慰謝料の請求が可能であることです。あなたが離婚をしない場合で慰謝料が同額であれば、2つの夫婦間で金銭が行き来しただけであり金銭的メリットが得られなくなってしまいます。
そのため、浮気相手が既婚者の場合には、離婚が前提の場合のみ慰謝料を請求するメリットが得られると考えられます。
ただし、浮気相手が自分の配偶者に浮気を知られたくないと考え、慰謝料の支払いに応じ和解するケースもあるようです。このような場合には、慰謝料を受け取ることに問題はありません。ただし、慰謝料を支払わないのであれば浮気をバラすなどと言って脅す行為は、恐喝など犯罪となる可能性がありますので行てはいけません。
また、慰謝料を請求することで浮気相手の配偶者が浮気に気付く可能性が高いと考えられます。そのため、慰謝料として金銭的な利益を得ることのみが目的ではなく、浮気相手への制裁になると考え慰謝料を請求する方も居るようです。
風俗で行った浮気は慰謝料請求が難しい
配偶者が、風俗で行った不貞行為であっても、不貞行為に変わりなく配偶者への慰謝料請求は可能と考えられます。これは、金銭の受け渡しがあれば不貞行為が免除される訳ではありませんので当然の結論です。
しかし、浮気相手である風俗の店員に対しては、基本的に慰謝料の請求は出来ないと考えられます。
一般的に風俗の店員の場合には、客が既婚者であると気付ける状況にはないと考えられますし、客が既婚者と分かったとしてもサービスを断ることが出来ない関係であると考えられます。そのため、風俗の店員に故意や過失があったとは考え難く慰謝料の請求は基本的に認められないでしょう。
また、風俗店の中で行われた不貞に関しては店員の特定が困難ですので、慰謝料の請求が難しいと言う問題もあります。
ただし、浮気相手が風俗の店員であったとしても、プライベートで親密な関係になっている場合には慰謝料の請求が可能と考えられます。
浮気の慰謝料は、金銭の受け渡しがあったかは問題にはならず不貞行為の有無で判断されます。そのため、愛人やママ活など金銭の対価で性行為を行っていたとしても、慰謝料の請求が認められる可能性はあると思われます。
ただし、過去の裁判では、クラブのママが行った不貞行為での慰謝料が認められなかった判決もあるようです。このようなケースでは、様々な事情が総合的に考慮され判断されますので、一概に慰謝料の請求が認められるとは言えないようです。
既に十分な慰謝料を受け取っている
配偶者に慰謝料を請求する場合と同じく、浮気の慰謝料をすでに相当額既に受けっ取っている場合には、それ以上の慰謝料を請求することは出来ません。
例えば、配偶者から既に相当額の慰謝料を受け取っている場合には、その不貞行為に対しての慰謝料を浮気相手から二重に受け取ることは出来ません。
時効が成立している過去の浮気
配偶者に慰謝料を請求する場合と同じく、時効が成立している過去の浮気に関しては慰謝料を請求することができません。
浮気相手に支払い能力がない
浮気相手に、慰謝料の支払い能力がない場合であっても、慰謝料の支払い義務は当然あることになりますので請求は可能です。ただし、実際に慰謝料が受け取れるかは別問題であり、実際には慰謝料を受け取れないケースが多くなるでしょう。
浮気の慰謝料は浮気をした本人の問題ですので、浮気相手が未成年であったとしても、親や兄弟などの親族であっても支払い義務は発生しません。親族が支払いたいと言えば受け取ることに問題はありませんが、相手に支払いの意思が無い場合には受け取ることはできないでしょう。
このような場合には、裁判や和解などで慰謝料の支払い義務を明確にし、浮気相手に慰謝料の支払い能力があるようになるまで待つ必要があるでしょう。
また、一部のケースでは、慰謝料の支払い能力があるにも関わらず無いと言って大路無い場合もあるようです。この場合は、勤務先や口座を特定し差し押さえなどの法的手段も検討してみましょう。
浮気相手が未成年の場合
浮気相手が未成年であっても、不貞行為に対する責任が無くなる訳ではありませんが、別の問題で慰謝料の請求は難しくなります。
18未満の未成年との性的関係は、例え同意があったとしても「青少年保護育成条例違反」や「児童福祉法違反」に問われる可能性があります。これらは犯罪行為となりますので、検挙され懲役や罰金が課せられるリスクがあります。
このようなケースでは、浮気の加害者は未成年である浮気相手となるのですが、同時に配偶者は性加害者であると言うことになります。そのため、浮気相手である未成年者は性被害者だという主張が出てくることも十分にあり、配偶者が性加害者として慰謝料を請求されてしまう可能性も考えられます。
このような事情から浮気相手が未成年の場合には、離婚をしたいときには大きなリスクがあると考えられます。
また、未成年者と慰謝料の支払いに合意したとしても、親権者の同意が無い場合には取り消される恐れがあります。そのため、浮気相手が未成年の場合には親権者との和解交渉が必要になるのですが、親権者である浮気相手の親が条例違反を指摘する可能性が高いリスクがあるでしょう。
浮気相手が何処の誰か分からない
浮気相手が何処の誰だか分からなければ、慰謝料を請求することが事実上困難となります。
配偶者から浮気相手が誰なのか聞き出そうと考える方も多いようですが、配偶者は浮気相手を庇う傾向にあり教えてくれないケースは殆どないのが現実です。浮気の慰謝料請求は民事の問題となりますので、警察などの公的機関が調べてくれることはなく浮気の被害者であるあなた自身で調べなくてはなりません。
浮気相手によっては調べることができる場合もあると思いますが、自分一人では浮気相手を特定することができない場合も少なくありません。このような場合には、探偵などプロに調査を依頼することを検討してみましょう。
浮気の慰謝料に対する求償権に注意
浮気は、配偶者と浮気相手の2人で行った不法行為であるため、慰謝料の支払い義務も2人にあることになります。そのため、あなたが一方のみに請求をし支払いを受けた慰謝料であっても、法律的には配偶者と不倫相手の2人に支払責任があることになります。
浮気相手だけに慰謝料を請求し支払いを受けた場合には、浮気相手はあなたの配偶者の慰謝料も支払っていることとなりますので、この分を配偶者に請求することが可能となります。この権利を「求償権」と呼んでいます。
あなたが離婚をするときは、この支払い義務は元配偶者にありますので問題にならない場合が多いのですが、離婚をしないときには家計のお金で考えれば不都合になってしまいます。
求償権に関する不利益を避けるためには「配偶者に対しての求償権を放棄する」と約束を交わし、和解書や公正証書に条項として記載することで回避することが可能です。
浮気の慰謝料の相場
日本の法律には、慰謝料に関する具体的な算定基準は定められておらず、裁判官が様々な事情を考慮したうえで金額を決定しています。
そのため、一概に浮気の慰謝料と言っても同じ金額にならず、それぞれの状況により開きがあることとなります。ここでは、浮気の慰謝料に影響を与える項目と、具体的な慰謝料の金額を紹介します。
裁判ではなく示談で和解を成立させるときは、お互いに合意ができれば金額を自由に決めることができます。ただし、裁判を行ったときの金額が一つの目安になる場合が多いでしょう。
裁判を行ったときの判決に近い金額を請求した場合には、相手は裁判をしてもメリットが無いと考える人が多く、和解に応じる可能性が高くなる傾向にあります。その反面、相場を大きく超える金額の慰謝料を請求したときには、和解に応じると経済的な負担が大きくなりますので和解に応じない可能性が高くなります。
浮気相手に対して許せない気持ちは理解できますが、慰謝料の請求金額は慎重に決定するようにしましょう。
慰謝料に影響を与える項目
浮気の慰謝料とは、浮気をした配偶者と浮気相手から受けた精神的苦痛に対して支払われるお金です。
そのため、あなたが受けた精神的苦痛が大きいと考えられる場合には、慰謝料が高くなる傾向にあります。どのような時に慰謝料が高くなるかは、具体的に決まっている訳ではありませんが、過去の判例より一定の傾向を知ることができます。
慰謝料の金額に影響を与える項目
- 離婚しない場合より離婚に至った場合のほうが慰謝料が高くなる
- 浮気関係を解消していれば慰謝料は少なくなり解消しない場合には高くなる
- 婚姻期間が長いほど慰謝料は高くなる傾向にある
- 浮気期間が長い、浮気の回数が多いほど慰謝料は高くなる
- 浮気が発覚する前の夫婦関係が良好な場合は慰謝料が高くなることがある
- 夫婦の間に子どもがいる場合には慰謝料が高くなる
- 配偶者と浮気相手の間に子どもが居るときは慰謝料が高くなる
- 自分に落ち度があるときは慰謝料が少なくなる
- 浮気相手が反省しているときは慰謝料が少なくなることもある
- うつ病の発症などあなたの精神的苦痛が大きいと判断されれば慰謝料が高くなる場合がある
ここで紹介した項目は、慰謝料の金額に影響を与える項目の一例です。
これら以外でも、あなたが受けた精神的苦痛が大きいと判断されたり、相手の落ち度が大きい場合には慰謝料が高くなる可能性があるでしょう。一方で、あなたの落ち度や問題点があると判断されれば、慰謝料が少なくなってしまう場合もあるでしょう。
慰謝料の具体的な金額
慰謝料の金額は様々な事情を考慮して決定されるため、一概に慰謝料の相場をお伝えすることはできませんが、過去の判例からおおよその金額は知ることができます。
過去の判例によると、浮気による慰謝料の相場はおおよそ50万円~300万円の間になるケースが多く、離婚に至ったか至らなかったかが慰謝料の金額に最も大きく影響しているようです。
浮気の慰謝料は、思っていたよりも少ないと感じる方も多く被害者にとっては納得が出来ないかもしれませんが、裁判で決まった慰謝料の金額は受け入れるしかありません。そのため、あなたの主張が認められれば慰謝料が高くなる場合がありますので、自分にとって有利な証拠収集と主張を行うと良い結果が得られる可能性が高くなるでしょう。
ここで紹介する慰謝料の金額が必ずしも受け取れる訳ではありませんので、慰謝料の金額の目安として紹介していることをご理解ください。
離婚に至らなかった浮気の慰謝料
離婚や別居に至らなかった浮気に対しては、あなたの精神的苦痛が比較的少ないと判断されることが多く、慰謝料の相場は50~100万円の間になることが多いようです。
浮気の慰謝料として認められる金額は、様々な事情が考慮されて決定されますので、相手の落ち度やあなたの苦痛が大きいと認められれば慰謝料が高くなることもあるでしょう。
浮気が原因で離婚に至った慰謝料
浮気が原因で離婚に至った場合には、あなたが受けた損害が大きいと判断されることが多く、慰謝料の相場は100~200万円の間になることが多いようです。
浮気が原因で離婚に至った場合であっても、浮気期間や頻度、婚姻期間、子どもの有無などの事情も考慮されますので、できるだけ慰謝料が高くなる主張を行うようにしましょう。
浮気慰謝料の請求方法
浮気の慰謝料を請求するためには、浮気そのものの事実を証明する必要があることはもちろんですが、浮気相手に慰謝料を請求する場合には浮気相手を特定しなければなりません。
また、慰謝料の請求方法を誤ると、恐喝や脅迫などの犯罪行為となってしまう可能性もありますので注意しましょう。
慰謝料の請求前の準備
浮気の慰謝料を手にするには、浮気の事実を相手が認める必要があります。または、裁判で認められる証拠が必要になります。
相手が、浮気の事実を認めている場合には事実関係で争いになることは少ないと思われますが、浮気の事実を認めず慰謝料の支払いから逃げようとする方が多いのが現実です。また、浮気相手に慰謝料を請求したときには、既婚者と知らなかったと慰謝料の支払いを免れようとする人は少なくありません。このような言い訳を避けるため、明確な証拠を事前に揃えておくことが非常に大切となります。
浮気の明確な証拠があれば、浮気を事実を認める可能性が非常に高くなりますし、仮に裁判にまで発展しても浮気が認められるでしょう。
また、浮気相手に慰謝料を請求する場合には、浮気相手を特定しなければ慰謝料の請求は事実上困難となります。
浮気の証拠が無い場合や浮気相手の特定ができないときには、探偵に依頼することを検討してみましょう。
また、個人で集めた浮気の証拠は状況証拠である場合が多く、裁判での証拠としては弱い場合も少なくありません。どの様な証拠が認められるかは非常に難しいですので、事前に弁護士に相談をしておくことも検討しましょう。
探偵の行っている浮気調査は、成功率が高く明確な証拠を手に入れることができますので、慰謝料の請求で大きな力を発揮するでしょう。また、浮気相手の特定も可能ですので、浮気相手が分からないときにも大きな力となるでしょう。
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慰謝料交渉で気を付ける事
浮気の慰謝料と聞くと裁判をイメージされるかもしれませんが、実際にはお互いの話し合いによる示談が成立するケースが多いようです。
示談交渉はお金や時間が余り掛かりませんので、先ずは示談の成立を目指して交渉を行い、示談が成立しないときに調停や裁判を検討しても良いでしょう。
慰謝料交渉を行うときは、出来るだけ感情的にならず冷静に話し合いを行ことが大切です。
浮気相手や配偶者に対して、憎しみなどの感情があっても当然だと思いますが、相手との関係が険悪になってしまい交渉が進まなくなるケースは少なくありません。
相手の機嫌を取る必要は無いと思いますが、相手を侮辱したり敢えて相手を怒らせるような言動を避けることで、交渉がスムーズに進むことも多いようです。
また、怒鳴ったり土下座を強要するなど恐喝や脅迫とらえられるような行為を行ってはいけません。慰謝料の交渉が進まなくなるばかりか、このような行為は犯罪となり不利な状況になってしまう可能性もありますので注意しましょう。
話し合いは当事者だけで行うのではなく、中立な立場の第三者に同席して貰うことをお勧めします。どうしても当事者のみで話し合い行う場合には、密室での交渉は避けレストランやホテルのロビーなどで行うことで、不要なトラブルに発展してしまう可能性を減らすことができます。また、会話を録音することでトラブルを回避できる場合があるでしょう。
交渉は直接会って行う方法以外にも、書面のやり取りで交渉を行う方法もあります。時間が掛かってしまうデメリットもありますが、言った言わないなどのトラブルを避けられますしストレスも少なくなるでしょう。また、強要されて示談書を書かされたなどと言ったトラブルも避けられます。
書面で交渉を行う場合には、通常の郵送ではなく書面の内容を証明することができる内容証明郵便の利用が一般的です。
慰謝料の話し合いは、知識がない方にとっては難しくトラブルに発展してしまう危険性もあります。
交渉に自信がない方は、弁護士など法律の専門家に相談することをお勧めします。弁護士に話し合いに同席をして貰うこともできますし、交渉自体を代理人として請け負って貰うこともできます。
弁護士が交渉を代理することで、交渉がまとまりやすくなるだけでなくトラブルを避けられるなど多くのメリットもあります。
決まった慰謝料などは示談書に残す
慰謝料の支払いなど同意した内容は、同意内容として示談書に残し署名捺印を求めましょう。
口約束だけの場合には、同意していないと言い出したりして支払いがなされない場合に、示談内容を証明するものが無くなってしまいます。
示談書には一定の法的拘束力がありますので、相手は約束を守る義務が発生します。また、裁判になった場合には、示談書の内容は証拠として認められる場合もあります。そのため、合意した約束事は全て示談書に記載し残しておくようにしましょう。
示談書の内容は、お互いに合意できれば自由に決めることができます。慰謝料の金額や支払期限などだけでなく、浮気関係の解消や接触の禁止を約束させることもできます。
また、約束事が守られなかった時のペナルティの金額を決める場合も多いようです。このような取り決めを示談書で残すことで、浮気関係が解消される可能性が高くなるでしょう。
その他にも、離婚をしないときに浮気相手のみに慰謝料を請求するときには、求償権の放棄を示談書に記載することも大切です。
浮気の慰謝料や浮気関係の解消などを示談書に記載して署名捺印を求めましょう。示談書の作成方法とサンプルを確認できます。
示談が成立しない場合は裁判
慰謝料の交渉を、示談で終わらせることができれば良いのですが、交渉がまとまらない場合には裁判を検討することになります。
あなたが、法外な慰謝料を請求している場合には裁判をしても認められないと思われますが、相手が少ない金額でしか同意しない時や支払いを拒む時には裁判を検討してみましょう。
裁判に持ち込むことは、時間的にも金銭的にもできれば避けたいものですが、この感情は被告である相手の方が大きいと言われています。
裁判は、原告であるあなたは何時でも裁判を取り下げることが可能ですが、被告側は和解に応じるか判決が出るまで裁判を続ける必要があります。そのため、被告側は精神的に大きなストレスになることが多いようです。
示談交渉の話し合いでは「裁判をしても構わない」「知り合いの弁護士に相談する」などの強がりを言う方も多いですが、浮気の慰謝料請求で裁判まで発展することは稀であり殆どの場合で示談が成立しています。
これは、妥当な慰謝料を提示しており証拠もそろっている場合には、裁判を行っても認められる可能性が高いと考えられますので、相手にとって裁判で得られるメリットが殆ど無いためです。
裁判が始まれば示談が出来なくなる訳ではなく、裁判中であっても示談を行うことは可能です。また、裁判官が示談を促したり、相手の弁護士が示談を持ち出すケースも少なくありません。
証拠がそろっており適正な慰謝料の金額を求めている場合には、最終手段として裁判を検討すると良いでしょう。
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