勝手に離婚届提出で逮捕 妻が戸籍謄本確認したら知らぬ間に離婚
勝手に離婚届提出で逮捕Arrested for filing divorce papers
勝手に離婚届提出で逮捕 妻が戸籍謄本確認したら知らぬ間に離婚
離婚届は夫婦双方が同意の上で署名を行い(証人の署名も必要)、役場に離婚届を提出することで離婚が成立します。
離婚届の提出は夫婦双方が役場に訪れる必要はなく、夫婦の一方が離婚届けを役場に提出すれば制度上は離婚が成立します。
この制度を利用し、配偶者の同意がないにも関わらず離婚届を偽造し提出した男が逮捕された記事が、福岡TNCニュースに掲載されていましたので紹介します。
また、同意なき離婚を防ぐ「離婚届の不受理申出」、万が一勝手に出された場合の対処法や無効にするための手続きを紹介します。
偽造された離婚届を妻に無断で提出した疑いで自営業の男が逮捕されました。男は別の女性と結婚しようとしていたとみられています。
南警察署によりますと、男は2021年4月、妻の署名や押印が偽造された離婚届を当時暮らしていた福岡県筑前町の役場に提出した疑いです。男と別居していた妻が去年、自分の戸籍謄本を確認したところ、離婚したことになっていることに気付き、警察に告訴していました。
警察の調べに対し、男は、「無断で離婚届を作成し、1人で役所に提出して勝手に離婚したことは間違いありません」と容疑を認めているということです。男は、「ヤクザとの間に子供ができた」などと話し、妻に離婚を申し出ていたということですが、警察は、別の女性と結婚しようとしたものの、離婚を拒まれたため犯行に及んだとみて、詳しい経緯を調べています。
同意なき離婚を回避する方法と勝手に出された場合の対処法
同意なき離婚届の提出は少なくない
配偶者の同意がないのに勝手に離婚届を記入し提出するケースは少ないかもしれません。
このような行為では明らかな犯罪になるばかりかバレる可能性が高いですし、一度受理されても離婚の無効確認請求が認められる可能性が高いでしょう。
このような理由から、殆どの人は行わない行為であり稀なケースと言えるでしょう。
しかし、異なる方法で同意していない離婚届を提出されてしまうケースは少なくないようです。
最も多いのは以前に預けていた離婚届の不正利用です。
例えば、旦那が浮気をし今後は浮気をしないと約束をし許してもらう際に、もし浮気をしたら使ってと誠意を見せるために署名した離婚届を妻に預ける場合があります。しかし、旦那は浮気をしていにも関わらず、妻が別の理由で離婚がしたくなりこの離婚届を勝手に提出してしまうケースです。
もう一つは強要されたり冷静な判断ができない状況に追い込まれて離婚届に署名をしてしまうケースです。
強要とは暴力や暴言だけではなく、相手の両親など複数人で署名を強く迫ったり深夜まで長時間署名を迫るなどし、離婚をしたくないけどその場から解放されるために署名をしてしまう人は少なくありません。
このような場合でも、離婚届に署名はしたが離婚に同意しておらず、本人の意思に反して離婚届を提出されたと言えるでしょう。
当探偵社の依頼者でも、不当に署名を迫られ署名してしまうケースは少なくありません。
その他にも、親権や財産分与など離婚条件で合意できてないにも関わらず、預けていた離婚届を勝手に提出されてしまうケースもあるようです。
特に親権に関しては、離婚届の記載内容で親権者が決まってしまうので問題は重大です。
この場合には、離婚そのものには合意していても条件で合意ができておらず、離婚届を勝手に提出されたと言えるでしょう。
不正提出を役場が防ぐのは難しい
離婚届に限らず役場は書類の不備のみしか確認を行っておらず、虚偽の届け出を完全に防ぐのは難しい現状があります。
離婚届は夫婦の一方のみの提出で受理されるので、もう一方が同意しているのか役場が確認するのは現実的ではありません。
夫婦の両者が揃っての離婚届の提出のみ受け付ければ防げるかもしれませんが、これにも新たな問題が発生する可能性が指摘されています。
離婚時には夫婦関係が険悪になっているだけでなく、DVなど深刻な問題を抱えている夫婦も少なくありません。このような夫婦であれば、離婚届の提出時に大きな事件に発展する危険性もあるでしょう。
いずれにしても、現行の制度では離婚届の提出先である役場に不正な提出を防ぐ方法はないと考えられます。
離婚届不受理申出
同意していない離婚届に署名をしてしまったり配偶者に離婚届を預けているなど、同意していない離婚届の受理を防ぐ方法として「離婚届不受理申出」があります。
離婚届不受理申出は、申請人の本籍地か住所地または所在地の市区町村役場に所定の書面を提出するだけで、配偶者からの離婚届が不受理となり離婚が成立しなくなる制度です。
離婚届不受理申出には有効期限がありませんので、一度提出すれば期間が経っても有効です。また、所定の用紙に必要事項を記入するだけの簡単な書面ですし費用も必要ありません。
離婚届不受理申出を提出できるのは当事者である夫婦だけなので本人が役場に行く必要があります。また提出には本人確認ができる顔写真付きの身分証明書が必要です。
離婚届不受理申出を行っても、役場から配偶者には連絡は入りません。そのため、提出した時点では配偶者には気付かれませんが、配偶者が離婚届を提出すると不受理となるのでその時点で分かります。
一方で、配偶者が離婚届を提出しようとすると、あなたには役場から連絡があります。
離婚届が提出された後に無効にする方法
結婚が双方の合意なく成立しないのと同じで、双方の合意がなければ「離婚」は成立しません。そのため、届出時に離婚意思が合致していないときや勝手に出したり偽造したりした離婚届は無効です。
つまり、偽造された離婚届はもちろんですが、強要されて署名したり異なる目的で署名した離婚届の提出は無効と判断されます。
ただし、一度受理された離婚届を無効化するには、裁判手続きを踏む必要が出てきます。
離婚届が勝手に提出され受理されたとき、離婚を無効にするための法的手続きが「離婚無効確認請求」です。
具体的な方法としては、家庭裁判所に離婚届が自分の意思に基づかないものであることを証明し、その無効を認めてもらう手続きです。
ここで問題となるのは、離婚届が自分の意思に基づかないことの証明が困難な場合です。この場合には、弁護士など法律の専門家に相談をし必要な証拠をそろえる必要が出てきます。
いずれにしても、一度提出され受理された離婚を解消するのは大変な作業です。
そのため、配偶者が離婚届を勝手に提出する可能性が少しでもある場合には、先手を打って離婚届不受理申出を行うようにしましょう。
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