同性との不倫を不貞行為だと認める判決

同性との不倫が不貞行為だと認める東京地裁の判決Same sex is also cheating

同性同士の不倫「不貞行為」　女性に11万円の賠償命令

一般的に浮気は異性との間で行われますが、浮気相手が同性のケースも少数ですが発生しているようです。
同性と行われた浮気は不貞行為に当たらない考えが一般的でしたが、司法の判断にも近年は変化があり同性との浮気も不貞行為と認める判決もあるようです。
同性との浮気を不貞行為と認める判決に関する記事が、毎日新聞に掲載されていますたので紹介します。

同性同士の不倫も、民法上の「不貞行為」だ――。東京地裁は、原告の男性の妻（35）と性的行為をした女性（37）に対し、11万円の慰謝料などを夫（39）に支払うよう命じる判決を言い渡した。
判決は2月16日付。原告側によると、同性同士の不貞行為で賠償責任を認める判断は珍しいという。

男性は、ネットを通じて妻と知り合った女性が性的行為をしたとして、女性を提訴。女性は、同性同士であることや、男性が2人の関係に気づいていたことをふまえ、婚姻関係を壊しておらず「不貞行為にあたらない」と主張していた。
判決は、不貞行為について、配偶者以外との性的関係だけでなく、「婚姻生活の平和を害する行為もあたる」と指摘。男性は親しくつき合うことは許したが性的行為まで許していなかったとして、妻と女性の関係を不貞行為だと認めた。

不貞行為をめぐっては、性別にとらわれない司法判断が続いている。
東京高裁は昨年3月の判決で、女性同士のカップルの一方が不貞行為をしたことについて賠償責任があると認定。異性カップルと同じように、同性カップルも「婚姻に準ずる関係として保護されるべきだ」とした。

出典：朝日新聞　https://www.asahi.com/
2021年03月17日 配信記事

同性との浮気は不貞に当たらない考えに変化

不貞行為とは、「配偶者があるものが、自由意思で配偶者以外の異性と性的関係を持つこと」と考えられています。そのため、同性との間での性的関係は不貞行為には当たらないとの考えが一般的でした。
しかし、最近では性的少数である同性愛を認める考えが広まっており、同性との浮気を不貞行為と認めなければ矛盾が生じます。また、不貞行為の被害者にとっては、浮気相手が同性であっても性的関係があれば不貞と捉えますので、浮気相手が同性である理由だけでは許せない感情を持って当然です。
このような理由から、同性愛を認める時代の変化に伴った判決が出たと考えられます。
最近の高裁では必ずしも浮気相手の性別にとらわれない判決が増えています。今後は最高裁がどのような結論を出すのか注目されます。

同性との不貞行為に慰謝料を認める判決が出されましたが、不貞行為があった事実の証明が非常に難しい問題があります。
配偶者や浮気相手が不貞行為を認めていれば問題がないのかもしれませんが、認めていないときには不貞行為の事実を原告側が証明しなければいけません。しかし、同性との不貞行為の証明は非常に難しく、慰謝料請求や離婚理由にするにはハードルが高いと考えられます。
一般的に探偵が行っている浮気調査では、自宅やホテルの出入りを撮影し密室に一定時間2人で居た事実を証明し不貞行為の証拠としています。
このような証拠では性行為があったと直接証明はできませんが「そう推認できるに至る充分な状況」と認められ、異性間の不貞行為の証明には大きな意味を持ちます。
基本的に不貞行為は密室で行われるものであり、不貞行為を直接証明する証拠を押さえることはできません。また、仮に浮気相手との性行為を撮影ができたとしても、無断で性行為を撮影すると違法性が問われる問題が発生してしまいます。
しかし、同性との不貞行為では、密室に一定時間2人で居た証拠だけでは、不貞行為があったと認められない可能性が高いと思われます。

同性の友人と自宅に一定時間居た場合でも、その事実だけでは不貞行為が行われた証拠にはなりません。また、同性の友人と宿泊を伴う旅行も珍しくありませんので、それだけでは不貞行為の証拠にはならないでしょう。
ラブホテルの場合であっても、女子会プランでは同性とカラオケや飲食などを楽しむ目的で利用する人もおり、ラブホテルに入室した事実だけでは性的関係があった証明にはならない可能性があります。

このような事情から、同性との不貞行為の証明は非常に困難であり、同性間で恋愛感情や性的関係があった事実をどう証明するかが問題です。
当探偵社では、同性の不貞行為はどのような証拠が必要なのか、今後の判決を注視し同性との不貞行為の調査に取り組みたいと考えています。
同性との浮気でお悩みの方は当探偵社にご相談ください。